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1.はじめに

2.現状調査 

3.提案

4.おわりに

5.参考文献

6.謝辞

3.1 パークアンドバスライドの導入

 つくば市内の研究施設を見学する際の現在の交通手段は,主に自家用車,路線バス,サイエンスツアーバスの3つとなる.自家用車利用者からは道路標識が少なく道が分かりにくい,駐車場混雑の問題があげられている.路線バスに関しては,研究施設間を結ぶのではなく,つくばセンターから研究施設が路線となっている.またサイエンスツアーバスに関しては,見学所要時間に対してバスの運行間隔が2倍以上となることもあり,見学所要時間とバス運行間隔に大きなずれがある.
 そこで私たちはつくば市内の複数の研究施設を見学するにあたり,交通システムとしてパークアンドバスライドシステムの導入を提案する.

 

3.1.1 パークアンドバスライドとは

 パークアンドバスライドとは,自家用車で指定されたに駐車場まで向かい,そこからバスに乗り換え目的地へ向かう手段のことである.都市部,観光地では渋滞緩和に効果があり,その他にも自家用車の利用が減るため,大気汚染軽減,二酸化炭素排出量削減といった効果が期待できる.
 パークアンドバスライドを観光に用いている事例として、長野県小布施町の「おぶせロマン号」が挙げられる.小布施町では交通アクセスが分かりにくく,観光客の自動車による市内での道路混雑が発生していることから,土日祝日に運行される周遊バスに対し,無料の町営駐車場・ハイウェイオアシスを利用してパークアンドバスライドシステムが導入されている.
 つくばでも,パークアンドバスライドシステムを導入することにより,現在の問題を解決するとともに,施設間のアクセスが容易になり,来訪者にとってより研究施設見学がしやすくなると考えられる.

 

3.1.2 乗り換え地点の選定

 パークアンドバスライドシステム導入にあたり,自家用車からバスへの乗り換え地点が必要となる.私たちは,“大通りに面していてわかりやすい立地であること.”これを重視し谷田部東SA付近,大学中央を乗り換え地点として選んだ.

①谷田部東SA付近
 南の乗り換え地点として谷田部東SA付近を利用する.アンケート結果より,高速道路を利用してつくばを来訪する人の大半が桜土浦ICか谷田部ICを利用していたが,谷田部東SAはその両者の間に位置している.さらに東京方面からの高速道路を利用者が多いことから,下りの谷田部東SA付近に乗り換え地点を設置しようと考えた.

・道の駅つくばの設置
 「情報発信機能」,「休憩機能」,「地域との連携機能」の3つの機能が備わったものを「道の駅」というが,谷田部東SA付近の乗り換え地点にもこれを導入する.ここでは主に「情報発信機能」と「パークアンドバスライドの駐車場としての機能」を充実させることとする.また,地域との連携機能としては地元の農家と協力して食事の場や物産の提供の場とすることが可能になるだろう.さらに,図18に示したように,この場所はつくば市内の主要道路の一つである西大通りに面しておりわかりやすい立地であるといえる.

        

                     図18

 

 ・スマートICの導入
 谷田部東SA付近にはICがないため,スマートICを導入する.スマートICとはETC専用の簡易ICであり,一般のICと違い低コストで導入することができる.今回は,SA・PA直結型のスマートICを導入し,谷田部東SAと道の駅つくばを直結させることにより,高速道路利用者と一般道路利用者の両方から道の駅つくばの利用が可能になるようにする.

②大学中央
 北の乗り換え地点として筑波大学中央の駐車場を利用する.ここは東大通りからのアクセスが良く,入口が分かりやすい.
 大学中央にも,谷田部東SAと同様に「情報発信機能」と「パークアンドバスライドの駐車場としての機能」をもたせる.また大学内にはギャラリーがあることから,大学の雰囲気も味わうことができると考えられる.

        

                    図19